BLOG
2016.12.14 | BLOG

ヒント本 1

年内の展示を無事に終了しました。
こまごました用事は残っているものの、ことし一年間も良き機会と出会いに恵まれ、これといった難もなく年越しできそうです。
いぶりがっこを味わうように今、このしあわせ噛みしめています。ありがとうございました。

 

先週まで発送や来年へ向けての画材仕入れなど諸々で動き回っていましたが、ひと段落ついた途端、札幌はドカ雪に見舞われました。ギリギリセーフ!

例年になく、12月なのにほんとうによく積もりました。
窓の外のもりもりの雪を眺めながら、ここ2~3日、ヨモギ茶飲んでます。ゆっくり煮だして一日飲んでいますよ^^
温まるし後味も爽やかでいいです。

鉄瓶

 

さて、
最近たまたま読んだ本がよかったので紹介してみます。

 

『裸でも生きる』山口絵理子
インパクトある書籍名なので一瞬たじろぎましたが。
バッグ作りで起業した女性社長の奮闘記でした。
すごく有名みたいなので読了済みの人多いかな?と思いますけれども、わたしはAmazonのオススメ機能で最近見つけたのでした。

 

読んだ本

 

自分の心の声に素直に耳を傾けながら、道のないところに道をつくるひとりの女性。
問題山積みの見知らぬ土地で体ひとつで前進していく過程が記されていて、引き込まれて一気に読みました。

 

読みやすく書いてあるし、特にモノづくりでやっている人には共感できる部分も多いかと思います。
夢って実行することですよね。
ヒントの多い一冊ではないかと思います。

 

 

・・・バッグ欲しい(物欲)

 

 

 

 

 

 

冬至までもう少し。
年内最後みたいな挨拶を書きましたけど、ちょこちょこ書きかけてた文を年末へかけてもうすこし載せてきます^^

 

 

 

 

 

 

2016.12.09 | BLOG

冬のおもいで

気が付けばもう師走。
逃げ恥もいい感じにラストが見えてきたので、しばらくサボっていたブログ書きます。

 

今年の札幌はとにかく早々に雪が積もりまして、もう街は真っ白です。
夕暮れ時になるとホワイトイルミネーションが素敵ですよ。

雪を見るといつも、パウダーシュガーとかメレンゲとか生クリームとか、フワフワお菓子っぽい美味しいものを連想してしまうんですが、そんな気持ちが神様に通じたのか、きな粉のお餅をたくさんいただきました。わーい^^

きな粉団子

これぞしあわせの極み!
きな粉の香ばしい香りと、わらび餅とのコンビネーションがたまりません。

和風お家カフェを満喫しました。抹茶ラテと一緒にいただきましたよ。
ごちそうさまでした。

 

わたしが生まれた土地は農村で、大人たちは夏忙しく、冬は家でゆったり趣味に時間を費やしました。
雪が降りはじめると、祖母がおやつを次から次へと作ってくれるとても楽しみな季節です。

わらび餅も、祖母がよく作ってくれた嬉しいおやつの一つでした。
黒砂糖を細かく砕いたのをかけて食べていましたが、時々、それにあんこやきな粉をプラスすることもありました。
素朴な味だけど本当に美味しかった。

 

他にも羊羹、かりんとう、笹餅、ドーナツ、お饅頭、クリームパン、ケーキなどなど。
クックパッドのない時代にどうやって作り方を仕入れていたのかフシギだけど、とにかくいろいろな種類のおやつを食べさせてもらいました。

そしてそれが市販のものとは比べ物にならないくらい美味しかったので、祖母は味覚の天才なんだとわたしは常々本気で思っていたのです(笑)

 

そういうわけで、あんこ系のお菓子は今も相変わらず、市販品であれ以上ものに出会ったためしがないです。

それがたとえ、とらやの羊羹でも、空也の最中でも、六花亭のぼた餅でも、うさぎやのどら焼きであってもね、心の中で「なかなか上手くできた代替品ですな」と思いながら(失礼!)いただいている自分がいます。
生意気な子どもですね。もう子どもじゃないけど。
慣れ親しんだ味というのはそういうことなんだなと、この季節になるといつも思う。

 

特に祖母の作る羊羹を語らせたらね、たぶんわたし谷崎潤一郎に負けないです。

わたしの愛した羊羹はですね、温度の低い部屋で何日も寝かせて熟成しなければならないので、外気温がぐっと下がる今くらいの季節でないと作ってもらえませんでした。
寝かせる前はまだ小豆の香りとお砂糖や水飴のくどい甘さが別々に立っているのが、時間が経つとすべてが調和するように上品にまとまります。

いただく時は、羊羹として完成したその豊かな甘味の邪魔をしないよう、アメリカンよりも薄く薄くお茶をいれるのが自分流のこだわりでした。(煎茶でアメリカンって、ないですね。超薄いってことです。)
自分史上この上ない最高級でファビュラスなティータイムの思い出です。

 

ばあちゃんの羊羹、作り方を習っておけばよかったなぁ。
いや、もう一度でいいから味わいたかった。

 

回想に耽った師走のひとときでした。

 

 

 

 

 

※祖母はまだ生きてます。

※でも母経由で数年前に「羊羹なんざもうゆるくないし、ようこしらえんわー」って宣言されました。まぁ時代も移り変わりましたしね、習い事とか祖父との関係を見つめ直したりとか諸々で忙しいみたいです。

 

 

 

 

 

 

2016.09.25 | BLOG

絵からはじまる

『美人画づくし』が発売になりました。
ぜひ、ぜひお傍に一冊置いてやってくださいませ。

甘夏の写真

「美人の絵」ってどんなイメージが浮かびますか?

ちょっとハナシ逸れますが、
わたしは、美人の絵といえばそりゃ三浦屋の幾代太夫です。
最高位の美女だそうですよ。
もちろん見たことはないですけどね。
きっとすごい美女なんだろうと想像しています。
(※)幾代餅

なにがいいかって、純粋な魂とその在り様が描かれているところがいいです。
売り物買い物という設定が意味するところは、それはむしろ無意味なのだと暗示させるところにあり。人と人とが、ちゃんと対等に描かれているところが清々しいです。

ところで、どうして清三さんは最初、実際に会ったこともない女性に想いを寄せることができたんでしょうかね?
ここがちょっと無理があるようにも思われる設定なんですけれど。

もしかしたら絵って、人の心の余白の部分に作用するんじゃないかな。と思うわけです。
行間のスキマに作用して文脈を柔軟にしたり、それによって、それまで形を成していなかったものがひとつの新しいオブジェクトとして描きだされたり、反対に、木炭の吸着作用みたいに余白クリーンアップしてくれたり、みたいな。

そう考えると清三さんのひらめきみたいに始まった恋心も、もとは清三さんの中に蓄えられていたものであって、無理な設定ではないと言えるかと。・・・うーん、でもやっぱりどうかな? 笑

ともあれ、純粋に他者を愛せるって、人として成熟していてこそ。
どんなに時代が移りかわっても「美人画」から始まるこの噺、人気ネタであり続けるといいなと思います。

 

 

 

 

 

 

2016.09.08 | BLOG

朝日

去年ですけれど、はじめて軽井沢へ行きました。
雑多な観光地みたいなイメージをもっていたんですが大間違い、美しいところでした。
夏はとうに過ぎていましたがちょうど紅葉の季節でした。

到着した日に軽く散策してまわったところ、「旧軽」と呼ばれるエリアに「SAWAMURA」というひときわ人でごった返しているレストランを見かけました。その日はすでにお蕎麦を食べたばかりで満腹でしたから、翌日、朝食を求めて行ってみました。街や道路はすいている方がいいけど、食事をするなら混んでいるお店がいいと思いませんか?

お店の中は今まさにパンの焼きあがる空気で満ちています。
深煎りのコーヒーとホットサンドとフレンチトーストをオーダーしました。
冷え込んではいるものの快晴です。
わたしたち以外にお客さんもいなかったので店内を見てまわり、青空と紅葉がよく見えるテラスに面した窓際席に決めました。

食べたパンの写真

空気はしんとして、まだ斜めに差しこんでくる朝日が店内の木製の床とテーブルとを一面金色に照らしています。金色の光と床に落ちる陰影とのコントラスト加減がドラマチックで。『あしたのジョー』の最期のシーンくらいドラマチックで。といったら言い過ぎですけど。けど、コントラストのはっきりしたものに視覚を刺激されると、どこか「ぱちん」とリセットされるような、そんな感覚ってありますよね?

とにかくその奇跡のようなロケーションをひとり占めで、しばしの時間を過ごすことができました。
いうまでもなくパンは味わい深いものだったし、コーヒーも淹れたてをいただきました。

こうして軽井沢にたどり着くまでは、実はかなりバタバタだったのです。特に出発の前日などは本当にツイてない一日でした。打ち合わせやら、作品発送やら、もうひとつ打ち合わせやら、納品やらオープニングパーティーやら。おまけにこの日の昼に集荷に来る予定だった運送屋さんが来なかった。翌朝にはわたし飛行機に乗る予定でしたから、泣く泣く、夜のオープニングパーティーは乾杯直後に退席。(あぁ、パーティーのお料理一口も食べられなかった!)そんな調子で、そんな擦り減ったキモチと体を引きずりつつだったんですが、がんばって良かった。
まるでサプライズみたいな時間をもらえたと思わさった瞬間でした。サプライズ朝日。パラダイス銀河ってありましたね。関係ないか。

そういえば、前に生徒さんから聞いたんですけども「センセ知ってます?神様ってのはね、いないんですってよ」とのこと。
知らなかった・・・。では、サプライズみたいに素晴らしくお天気が良かった時はですよ、誰にお礼言ったらいいんでしょうかね?誰か知ってる?

 

 

 

 

 

 

2016.09.07 | BLOG

におい

このあいだの個展のとき、在廊の合間にいくつか美術館へ行きました。

恵比寿の美術館へ行った日、帰りに雨に見舞われたときのこと。その時はもう駅には近かったんだけども、あまりにもひどい降りだったので近くのカフェへ一時避難することにしました。

ランチタイムもそろそろ終わるくらいの時間帯なのに店内にはお客さんがたくさんいました。ソファ席もあり、寛げる雰囲気のお店です。一見して女性客が多く、そのビジュアルに相応しくふわ~っと(でも主張の強い)メープルシロップやバターの香りに迎え入れられます。

街の写真

ソファ席は一杯だったので入り口近くのテーブル席へ。手渡されたメニューをざっと見て、隣の席の女子2人が食べていたリコッタチーズのパンケーキも横目に見ながら、わたしはタコスが乗っかった具だくさんのサラダっぽいご飯(料理の名前は忘れてしまいました)と食後にアイスコーヒーをオーダーしました。

窓の外の雨足の具合をみながらタコスが乗っかった具だくさんのサラダっぽいご飯をわたしが平らげている間も、同じように後から後から、びしょびしょの傘やカバンを持って入ってくるお客さんがありました。近くのオフィスからテイクアウトのために来るサラリーマン風の人とか、待ち合わせに遅れながらもようやくたどり着いた風の人とか。

雨に濡れたその人たちが入り口から入ってくるたび、むんとするような雨の匂いがまとわりつくように入ってくる。都会だろうが田舎だろうが雨は雨の匂いがしますね。その度に店の中の空気はリコッタパンケーキの甘い匂いと夏の雨の匂いが一瞬、突然混じり合う。
それでその一瞬の間、なにかすごーく遠い記憶の中の何かがひょっこり顔を出しそうになるんだけど、すぐにシロップや何かの匂いがそれを遮ってしまう。まだちょっとも出ていないのに被せ気味にポコン!と頭を叩かれるモグラたたきのモグラみたいな感じで。
もどかしい。
うーん、なんだったかなぁ。

店を出てから、雨の中を漕いでいく気になれず、その次に行こうと思っていた美術館へ移動するのはやめてアトレの中の書店へ。雨とくりゃ本でしょ、というのは田舎育ちだからです。たぶん。
最近の書店はかゆいとこに手が届いてますね。レジのすぐ横にカフェコーナーがあったりするのが、もう珍しくない。それとも、ずっと前からそうだったのか。それはともかくそのお店も、もう夕飯時の時間帯だというのに混んでる。みんな雨から避難してここに陣取ってるのかなぁ。

袋に入った雑誌を片手に今度はホットコーヒーを買ったところで、思い出した。思い出した!

中学生のころ、友達と近くの街の遊園地へ遊びに行く計画を立てていたんだけど、その約束の当日、朝から雨だった。
けっこうなひどい雨なのに、やめておけばいいのに、楽しみにしてた約束だったものだから行ったんです。そして2人とも夕方には足元からなにからびっしょびしょになって、帰りのバスまでの待ち時間は、近くの大型スーパーのフードコートで暖をとるハメになった。「やっぱり雨降ったね。」「そうだね。」

その時の、店内の甘い匂いと衣服にまとわりつく雨の匂いがどうもミスマッチだったというだけの、愉快でも不快でもない、特にこれといった思い出ですらない記憶の断片でした。

匂いって、かなり昔のどうでもいい記憶にまでアクセスするもんなんだなぁ。それとも、雨の日だと心が退屈さに耐えかねてそういうそう動きをするんだろうか?そういうのありませんか?
でも、うん、思い出してすっきりした・・・

・・・。

えーと、でもちょっと待って。あの時代にパンケーキはなかったはず。
それにその時のお店って、たしかドムドムバーガーだった(!)
では、あの甘い匂いの記憶の正体は一体?
うーん、なんだったかなぁ。

 

 

 

 

 

 

1 2 3 4